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「WiLL」の立読み 2014/01月号()

韓国には一銭も払う必要なし!

戦時徴用された韓国人が日本企業に対して、未払い賃金や非人道的な待遇などに対する賠償を求める裁判を起こし、韓国の裁判所が賠償命令を下す判決が相次いでいる。

「WiLL」の立読み
2014/01月号

雑誌名WiLL
号名:2014/01月号
発売日
価格780
出版社ワック・マガジンズ
ジャンル総合誌
内容

【総力大特集】韓国に白黒つけろ! ・「十七歳の狂気」韓国 西尾幹二 ・外資の植民地、韓国「両班社会」へ逆戻り 渡邉哲也

丸山和也(自民党参議院議員・弁護士)

司法まで反日を争う

戦時徴用された韓国人が日本企業に対して、未払い賃金や非人道的な待遇などに対する賠償を求める裁判を起こし、韓国の裁判所が賠償命令を下す判決が相次いでいる。

すでに一九六五年の日韓基本条約に伴う日韓請求権協定で個人請求権は消滅しているにもかかわらず、「強制労働は請求権協定の対象外」「人道的観点は協定には含まれていない」どとする内容だ。

昨年五月に韓国の最高裁に当たる大法院が、日本での賠償訴訟での敗訴はおかしいとし「個人の請求権は韓国では消滅していない」と判断。これが元になり、その後、今年七月には韓国の高裁がそれぞれ新日鉄住金と三菱重工業に対して賠償命令判決。そして十一月一日にも、光州地裁で三菱重工業などに対する賠償命令が下されたのである。

この判決は、韓国政府の「請求権協定により個人請求権は消滅している」とのこれまでの立場を覆したに等しい。また、国際的な約束を国内法で覆す言語道断の判決でもある。

まさに「司法の暴走」だが、「反日」の名目の前に政府も司法をコントロールできていない。韓国も重んじているはずの三権分立は機能不全を起こし、司法が政治的意図を持って判決を下す「司法独裁状態」になっている。

韓国政府は「係争中である」ことを理由に、判決への言及を避けている。国民からの批判を恐れ、判決を強く否定できない状況にある。司法が政治以上に「反日」で突出し、国民にアピールしている状況だ。

二〇一一年、憲法裁判所は「元慰安婦に対する個人補償に対する日韓請求権協定の『紛争』を韓国政府が解決しないのは違憲である」と判決。司法のなかでさえ、「どちらがより反日的な判決を下すか」に腐心し、先陣争いをしている。

韓国には通常の裁判所と憲法裁判所の二つの系列があるが、互いに競うように「反日」を打ち出し合い、韓国国民向けにパフォーマンスをしているのである。

だが、日本は戦後補償をし、日韓請求権協定で「請求権一切の完全かつ最終的な解決」を確認している。本来、個人に対する補償に関しては、韓国国内の問題のはずだ。

その戦後補償を個人補償ではなく、自国経済の自立のために使ったのは当の韓国政府であり、個人補償を求めるならば韓国政府に求めるべき問題だ。韓国政府も、この点を韓国の国民に説明する必要がある。

協定を結び、受け取るべきものは受け取っておきながら、国民や司法の暴走を止めず、転じて日本を責めるなど、国際社会では通用しない。韓国政府はこのことを自覚すべきだろう。

日本で強制執行も?

今後、裁判結果はどう影響するか。被告となった日本企業には二つの対応が考えられる。(1)進んで賠償金を払う(2)判決が確定しても「不当判決である」とはねつける。(2)の場合、韓国側は強制執行により、韓国内にある当該企業の資産を差し押さえることになる。

三菱重工などは韓国国内に生産拠点などを持たないので、執行対象物がない。しかし、韓国内でできなければ日本国内での強制執行に及ぶ可能性が高い。

韓国での判決の効力は、民事訴訟法一一八条によって争われることになる。これが承認されれば、韓国での判決も日本の裁判と同じ効力を持つため、日本国内で強制執行が認められる可能性も高い。

その際、問われるのは、次の四つだ。

(1)外国裁判所の裁判権が認められているか。

(2)外国での裁判が正当な手続きで行われたか、つまり相手に通知せずに一方的に裁判を行ったとか、相手に弁論の機会を与えなかったなどの不正がなかったか。

(3)公序良俗に反するものでないか。

(4)(両国間に)相互の保障があるか。

このなかで問題になるのは(2)だが、これに関しては韓国の裁判所は、被告である日本企業に呼び掛けて反論の機会も与えているため、手続き的な不備はない。

手続き上の不備では争えないとなると、極めて「公正」な日本の裁判所は、韓国での判決の効力を承認する可能性が高いのである。効力を承認すれば、日本国内で強制執行が行われる可能性もある。

十一月七日付の日経新聞では専門家の意見として、「韓国で敗訴が確定しても、日本国内には判決の効力は及ばない」としているが、このように安易に断定するのは間違っているのではないだろうか。

たしかに、徴用工請求は存在しないとの判断が判決により確定済みであるとして、これと矛盾する韓国の判決は、先の民事訴訟法一一八条の要件を満たしてもその効力は認められないとして排斥すれば、強制執行される可能性はなくなるが、はたしてそう期待できるか疑問である。

「友好」「穏便」は封印せよ

韓国での判決が日本でも認められれば、個々の企業は非常に難しい対応を迫られることになる。日本政府は企業を強力にバックアップし、「絶対に賠償金を払ってはならない」と強く伝える必要がある。「不当な判決による不当な強制執行だ。応じる必要はない」と政府が強く指導するべきだろう。

また、政府は韓国、あるいは国際社会に対し、「不当判決であり、国際ルールを無視している」「こんな判決は国際社会では許されない」と強くアピールすべきだ。

判決が出て私はすぐに岸田外務大臣、菅官房長官に「断固としてはねのけるべき」「企業に強くメッセージを送るべき」と申し入れをした。「当然、認識している」「外交を無視している」「請求権協定で終わった問題」との認識では彼らも同じ考えであったが、「日韓友好」「外交関係」などを気にし過ぎて、はたして断固として韓国政府に申し入れられるかどうか。一抹の不安は拭ぬぐえないのが正直なところだ。

しかし断固として対応しなければ、日本企業が不安を抱くのはもちろん、韓国で二十二万人も名乗り出ているという元徴用工がのべつ幕なし訴訟を起こし、賠償金を要求する事態になりかねない。

日本政府はなにかと「穏便に」「冷静に」と言うが、そのような対応は今回は一切やめるべきだ。

日本政府としては国際裁判所への提訴という手段もないわけではないが、竹島問題と同様、相手は土俵に上がらないだろう。韓国は「すでに国内の最高裁判決が出ている」ことを楯にとるだろうし、日本の司法がこの判決を認めてしまえば、そもそも国際裁判所に提訴する理由がなくなる。

しかも、あくまでも韓国国内判断の不当さを問わねばならない性質上、もし日本がこの判決に対して疑義を申し立てれば「韓国の司法に日本の政治が介入するのか」「内政干渉だ」と言い出しかねない危険性があるのが難しいところだ。

それでも政府が断固とした姿勢を取らなければ、個々の企業は太刀打ちできないだろう。

しかし日本企業は、今後の韓国との商売や対外的イメージを考慮して、「お金で済むなら」と払ってしまう可能性が高い。というのも、これまで日本で起こされてきた元徴用工による賠償請求訴訟では、すべて一審では企業側の勝訴が確定しているにもかかわらず、高裁で和解をしているケースが見受けられるためだ。

企業が和解内容を明かさないため詳細は不明だが、高裁が企業に対し「訴訟に勝ちはしたけれど、相手も気の毒だし、人道的観点からも、少しお金を払ってはどうか」などと勧めた可能性もある。

【続きは本誌をご覧ください】

雑誌名WiLL
号名:2014/01月号
発売日
価格780
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