相変わらず不況の風が吹き捲ってるね。最近「11年連続で自殺者3万人を超えた」なんてニュースをやってたけど、俺もかつては何度か死のうと思ったことがある。みんな一度や二度はそう思うんじゃないかな。実際に行動に移すかどうかはともかく、これなら死んじゃったほうがいいかな、なんてさ。
この前、面白い話を聞いたよ。昔から「四葉のクローバーは幸せを呼ぶ」なんて言われてるけど、最近、岩手県で33枚葉のクローバーが見つかったらしい。その話を聞いたとき、さぞかし大きな幸せがもたらされるだろうって、素直に凄いと思ったな。大きな話題ではないけど、こういうゲンかつぎ的な話題がメディアによって公になるってのもなかなか面白いよ。
聞けば、イチローはベンチを出る時に、前の打席で右足から出てヒットが出た場合は、また右足からベンチを出るけど、打てなかった場合は左足から出るようにするって決めてるみたいだね。振り返ると、俺も現役時代はそういうゲンかつぎ的なことはしてたと思うけど、もうほとんど覚えてないな。最近はゲンかつぎに数珠や水晶をもらったりもするけど、あれもちょっと面倒なところがあるからよくハズしちゃうんだよな。結婚指輪もハズしちゃうしね、ダーハッハッハッハ。
しいて言えば、毎回リングシューズの紐を変えてたくらいかな。やっぱり足元ってのは大事でしょう。それも意識的にやってたわけじゃなく、本能的にやってたね。別に比較するわけじゃないけど、いまの選手はそういうところにカネをかけないでしょう。でも、もったいないとかじゃなく、カネをかけなきゃいけないところってあると思うんだよね。俺の場合はガウンにしてもデザインに口を出したりもしてたしね。飾らないことを売りにしてる選手もいるかもしれないけど、通路からスポットを浴びて出てくるとき、観客の目線で見た場合に大事なことってあるんだよ。
で、なんだっけ? 不況の話か。パラリンピックとか見てると、あの人たちこそ、生きるためのメッセージを送ってるのかな、と思うことがある。確かペルーかどっかだったと思うけど、障害者が産まれると神様からの贈り物だってお祝いをするっていうもんな。考え方や発想を変えればそういうことになる。
障害のある人たち同様、ホームレスの人たちだって何かのメッセージを送ってるのかもしれない。結局、死のうとする原因を考えれば、食っていけないとかそういうことでしょう。例えば俺がよく「人生のホームレス」なんて言うのは、自分がもしホームレスにまでなる、と腹に覚悟を決めておくということ。名誉を失いたくないとか、昨日まで得た所得を失いたくないとか、そんなことは山ほどあるけど、ホームレスになったらなったでいいじゃん、と思ってしまえば、気が楽になるでしょう。実際にそうなる可能性は低いとしてもさ。
もうひとつ、つくづく日本人の国民性でさ。それまではジャニーズの彼(草なぎ剛)の話題で持ち切りだったのに、小沢辞任・民主党代表選ですぐにバッとそっちに行っちゃって。かと思ったら、今度は新型インフルエンザで全部そっちに行っちゃうもんな。ホントまさに熱しやすく冷めやすいというかね。日本の場合、まだまだテレビの影響力は凄いけど、やっぱり根底にあるのは視聴率至上主義なんだろうと思う。いかにインパクトのあることを発信するか。テレビはそういうものだと思えば、いちいち深く考える必要なんてないんだろうよ。新型インフルエンザ問題にしたって、ニューヨークに住んでる俺から言わせれば、ズバリ言ってもの凄くいい加減な報道だよ。こんなに騒いでるのは日本だけじゃないの?
不況に自殺、ホームレス……最近の閉塞感を打開するキーワードを俺なりに集約すれば、やっぱりこれに尽きるだろうよ。
「一歩踏み出す勇気」
あきらめずにこれを実戦していけば、必ず道は開ける。なにしろ、そうやって俺は人生を切り開いてきたんだから、これは絶対に間違いないぜ、ンムフフフ。
この道を行けばどうなるものか
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
アントニオ猪木
構成)“Show”大谷泰顕

