- 小林
- ところで、森下さんはバスケット少年だったころ「月刊バスケットボール」とか読んでました?
- 森下
- 読んでましたね。月バス(月刊バスケットボール)は部室にあったな。
- 小林
- 編集部に電話をしてどうやってNBAに行ったらいいかを聞いたとか。
- 森下
- 友達にビデオを借りて初めて NBAの試合を見たとき、黒人や白人のプレーにすげーって思いました。明らかに自分がやってたバスケと次元がちがうわけですよ。とにかくここに行きたいって思った 。それで先生に「どうやったらNBAいけるかな?」って聞いたら、「お前アホか」と。「NBAっていうのは日本人が挑戦するもんやなくて、見るもんなんやぞ」って怒られました。まだ日本人がスポーツ界で世界にチャレンジするってことが考えられなかったんですよ。
- 小林
- 当時日本でだれもチャレンジしなかったことですもんね。
- 森下
- 真剣に聞いても誰も答えてくれないから、月バス編集部に電話したんですよ。それで「俺NBA行きたいんですけど、どうやったらいいんですか?」って聞いたら「それはうちの方でも解りかねます」って言われて。たかが15年前なのにね。
- 小林
- その2年後にハワイにバスケットボールを抱きしめて行かれたんですよね。仲間に入れてもらうために、コートの脇に3週間同じ時間に毎日通われた。
- 森下
- 行っても入れてれくれへんのです。「アジア人でチビのお前なんかバスケでけへんわ」って感じ。そこはハワイの中でも黒人が多い所。白人すらいなくてよそ者を入れようとしないんです。あの3週間は長かったね。
- 小林
- 初めて向うがやってやろうじゃないのって、試合した時って勝ったんですか?
- 森下
- 勝った。
- 小林
- きもちいい〜(笑)。
- 森下
- 勝ったけど、そいつそのコートの中でも明らかに下手糞で試合にも出てない奴やった(笑)。馬鹿にされて色々言われてるようだけど高校の時、俺英語1やったから何話しているのか全然解らへんかった(笑)。
- 小林
- 次の日からは仲間に入れてくれたんですか?
- 森下
- 次の日からずっと。黒人文化ってファミリー意識が強く、一度気を許したら家族として受け入れてくれるんですよね。
- 小林
- 体つきの差とかすごいあると思うんですけど、苦労されたんじゃないですか?
- 森下
- バスケットって一番身体能力が問われるスポーツと言われてるんですけど、日本人は飛んだり走ったりする身体的能力はないわけです。やればやるほど俺はバスケに向いてないなって思いますもん。
- 小林
- それは身長が高い低いとは別ですか?
- 森下
- 身長はもちろん、腕の長さや筋力全てですね。でもそんなんいってても仕方が無いから、自分がそこで必要とされるポジションを確立していかなあかんって思って、トレーニングに武道を取り入れたりしてます。

