高校卒業後単身で渡米し、日本人初のプロバスケット選手となった森下雄一郎さん。バスケットボールに傾けてきた情熱を熱く語って頂いた。
バスケットボール選手。1977年生まれ。兵庫県出身。
小学校5年生よりバスケットボールをはじめる。日本での実績は全くなく、何のつてもなく高校卒業後単身渡米。日本人として初のアメリカプロバスケット選手となり、NBAのサマーキャンプにも参加経験あり。06年にはアジア人としてはじめて、アメリカメジャーバスケットチーム『AND1mixtape』と契約。SAMURAIというコートネームで活躍中。現在はプロバスケ選手の枠を飛び出し、2006年自らアーティストとしてCDデビューし、バスケと音楽をつなげる『バス音』という新しいジャンルを創造している。自らの生き様を伝えるために社団法人日本青少年育成協会の最年少顧問を務め、全国各地の教育委員会などと連携し講演を述べ10万人以上の子ども達に行う。未来の子ども達の環境づくりにと幼児教育に特化した夢現ストリートスポーツアカデミーを大阪天満市場に開校している。

- 小林
- 森下さんは高校卒業後単身で渡米されたんですよね。そのきっかけを教えて下さい。
- 森下
- 俺は日本の大学に行きたかったんですけど、実績がないからという理由で、3つ受けて3つとも落とされたんですよ。その時に過去の実績だけを問われたっていうのがすごい残念で、もうバスケを諦めようと思ったけど、どうせ止めるならとことんやってみようと思ってアメリカに行ったんです。
- 小林
- チャレンジ精神に溢れてますね。バスケットボールを続けていく中で大切なのは何ですか?
- 森下
- バスケットでプロになる、上手い選手になる、そうなった結果に意味があるんじゃなく、そこに向って行く過程に意味があるって思うんです。バスケは俺にとって道なんですよ。現役を引退したあと、スポーツ漬けでやってきた人ほど、途方に暮れるんでね。日本ではどうしても現役の間は、成績をあげることだけがクローズアップされるので、社会性が育たない。

- 小林
- ここ(著書)にも書いてありましたね。一流の選手の方ほど、引退したあと借金を作ってしまったりするそうですね。
- 森下
- いま社会ではどういうことが起きていて、自分は何が出来るって、選手である前に人間として使命感を持てることが大事だと思っています。
- 小林
- 私と同い年で、既にお子さんが4人いるんですよね。子供の存在は転機になりましたか?
- 森下
- 大きいですね。一番上の子は俺と血はつながっていないんですけど、そいつから色々教わりましたね。
- 小林
- いま何歳ですか?
- 森下
- 10歳です。上から10歳3歳2歳1歳なんです。
- 小林
- 賑やかそうですね(笑)。奥さんとは小学校の同級生で、当時は奥さんにいじめられてたんですって?
- 森下
- 俺かなりいじめられっ子やったんですよ。こう見えて。
- 小林
- え〜。見えないです。学生時代は全然勉強しなかったんですって?
- 森下
- ええ、全く(笑)。
- 小林
- 朝から晩までバスケばっかりやっていたとか?
- 森下
- 寝ても覚めてもずっとボールと一緒やったんです。学校の行きも帰りもドリブルしながら、授業中は後ろでワンオンワンをやってました。

- 小林
- 実は私も中学の時バスケ部だったんですよ。ガードで。同じポジションじゃないですか?
- 森下
- そうですね。
- 小林
- 今思えば、あのバスケ特有のリズムが好きだったからバスケ部に入ったのかな。森下さんは子どものための運動教室『夢現ストリート・スポーツアカデミー』を運営されているんですよね。
- 森下
- 大阪の天満市場の中に作ったんです。俺、昔から人情が暖かくて、家族みたいにふれあう市場が大好きなんです。元々俺もアマ(兵庫県尼崎市)っていう、町全体が市場みたいな中で育ってるしね。市場に学校を作るのは夢やったんです。傍からはよく動物園っていわれてますけどね(笑)。金網で屋根が付いてて、その中で子どもたちが遊んでいるんです。
- 小林
- それは動物園だわ(笑)。学校を作ったきっかけを教えてください。
- 森下
- 4、5年前から日本各地に講演で呼んで頂ける様になって、延べ10万人くらいの子どもと触れ合ってきたんですけど、年々子ども達を取り巻く環境が悪化していて、それが子どもの体に影響を与えてると感じたからですね。
- 小林
- どのように悪化したんですか?
- 森下
- 体にストレスを抱えた子どもが増えましたね。溜まっていくと必ずメンタルの方にも悪影響がありますよね。単純にいうと、体を動かすスペースが減って、子どもたちが外で遊べないんですね。幼稚園から小学校低学年の間は、体の成長にとても大事な時期なんです。だから、子どもが思いっきり体を動かせる場所を作りたかった。だから、トレーニングではなくて、遊びで運動させるメニューを用意しています。学期毎に体のデータを取って親御さんに提出しています。
- 小林
- どんなカリキュラムがあるんですか?
- 森下
- 色々ですね。運動、ダンスに球技です。球技は学期毎に種目を変えて教えてます。自分はバスケばっかりやってたんですけど(笑)。
- 小林
- 教育に随分時間を費やしていますけど、これからも続けていこうと思ってますか?
- 森下
- 序々に軌道に乗ってきてるので全国展開していこうと思っています。派遣型も広がって、塾の1週間のカリキュラムの1コマに入れたいですね。

