- 小林
- 木村さんは50代の方向けにも、「5L」というフリーペーパーなどを立ち上げられて、情報を発信されていると思うんですけど、どういった思いで始められたんですか?
- 木村
- 僕は本当に笑いの感覚が解るのは自分の年齢のプラスマイナス10歳までが限界やと思ってるんです。プラスマイナス10ってことは僕はもう60歳になっているから、50歳から70歳ってことになるんですけど世代で言うと仁鶴、やすし・きよし、下はさんま、紳助といった人たちですね。それ以下の年代の芸人になると本当に面白いと思えないんです。面白いかどうか判断する資格があるのは、僕より10歳、20歳若い人なんですね。寧ろそうしないと評価を間違うんですよ。自分が60なんやったら60に近いことをやろと思ったわけです。僕は5年前に吉本を辞めたんですよ。で、ようやく5年遅れて同級生が定年の時を迎えた訳ですね。だから先輩として言えることがあると。先行者利益(笑)。
- 小林
- その発想の転換が面白いですね。
- 木村
- 既製の概念を変えることに達成感を覚えますね。
- 小林
- 発想をがらっと変えたキャッチコピーをお作りになるのがお得意ですよね。本のタイトルでも、人間の賞味期限とか。
- 木村
- それって結構大事ですよね。

- 小林
- 読むとどれも、必ずクスッと笑えるような内容になってます。それはお笑いの世界にいられたのが長かったからですか?
- 木村
- だと思います。
- 小林
- 芸人さんから学ばれたんですか?
- 木村
- 講演でも人より話すのが早いっていわれるんです。知らず知らずのうちにやすきよさんの影響を受けているのかな、と思ったりしますね。やっぱり講演でも笑いがないと嫌なんです。客席に笑いがあるってことは相手に届いてるってことですよね。だから最初の3分で絶対に笑ってもらうポイントを作っておきます。だからそこで滑るとショックですよ(笑)。
- 小林
- 話が変わりますが、木村さんが初めて取り上げられた雑誌は覚えていらっしゃいますか?
- 木村
- 覚えてないですね。多分新聞ですね。横山やすし事件絡みで(笑)。雑誌だと、東京事務所の頃に業界誌とかそんなもんでしょうかね。
- 小林
- 取り上げられて嬉しかった記事はありますか?
- 木村
- 10年くらい前の話ですが「アエラ」の「現代の肖像」ですね。こんなとこ載っていいのかなと思いました。
- 小林
- 雑誌はなんのために読まれるんですか?
- 木村
- 面白い表現とかこの言葉使えるとかを探してるんですよ。
- 小林
- 名コピーをたくさん生み出していらっしゃいますけれども、やっぱり普段から気になった言葉など書きとめておられるんですね。
- 木村
- 気にいった言葉は手帳に書いておきますね。
- 小林
- ご自身で思い入れのあるキャッチコピーはありますか?
- 木村
- 大阪の吉本をメジャーにするために、まずはリストラをして吉本をリニューアルさせて長生きさせようと思ったんです。そこで「吉本新喜劇やめよっかなキャンペーン」とうったんです。来年の3月までに梅田花月にこれだけの人が入らないと、大阪から吉本が無くなると。
- 小林
- それは大阪の人は焦りますね。
- 木村
- 別になくなったっていいんですよ。でも大改造とかリストラとかだとつまらないじゃないですか。だから「やめよっかなキャンペーン」ってすると楽しそうでしょ。止める気はないんだけど、軽いかんじで。あと吉本興業を東京で展開する時に全国吉本化計画っていうのは、やくざの殴りこみみたいでつまんないんで、サブタイトルを「日本人の7割を吉本ファンにしよう。あほうつしたろか運動」にしました。
- 小林
- アハハハハハ。

- 木村
- なんかあんまり立派だと照れるからちょっと落とすっていうかそんなんがないとだめだと思いますね。辛いことを楽しくやる。目線を上げないのが大阪のマインドやと思うんですよ。

