- 小林
- ところで、師匠はなぜ新しい名前を笑点で公募されたのですか?
- 木久翁
-
親子2代同時襲名ってことで、僕の名前をせがれのきくおに譲りますよね。そうすると僕の名前は消滅しちゃう。芸歴は47年ありますから、名前が変わっても別に大丈夫だと思うんだけど、全国に知らしめて覚えてもらわなくちゃということで、こっちで勝手に名前をつけちゃうよりは公募という形にした方が、多くの方に関心を持ってもらえると思った訳です。

- 小林
- 全部で何通くらい来たんですか?
- 木久翁
-
30337通来たんです。自分の中で思っている名前があって、出来るだけそれに近い名前を徐々に発表していくという形で、1年くらい引っ張ったんです。そうするとどうも木久蔵さんは名前を変えようとしているけれど、中々決まらないみたいだから協力しなきゃって一人で7通も8通も出した人がいるんですって(笑)。
- 小林
- 今のお話を伺っていると、名プロデューサーですよね。
- 木久翁
- そうやって引っ張っていこうと思ってね。

- 小林
- ラーメンの名プロデューサーでもありますよね。ご自分のラーメンを「まずい」なんておっしゃって(笑)。
- 木久翁
-
それは、日本人の判官贔屓があるからなんです。「まずい」って聞くと、そんなことは無いだろう。一度食べてみようとなるわけ。そして意外と旨いじゃないと言ってまた食べてくれるというわけです。ラーメンなんて本当にたくさんありますよ。その中で売れるには、よほどのフレーズを持ってこないと目立ちませんもんね。笑点で「まずいまずい」って仲間も言ってくれて、すごく際立っちゃったんです。
- 小林
- やっぱり名プロデューサーでいらっしゃいますね。もちろん今後も面白いことをぶちかましてやろうと思っていらっしゃるんでしょうね。
- 木久翁
- そうね。僕が考えた「ラーメン天狗」というキャラクターを使って絵本を書こうと思ってるんですよ。飢えている人がいると、屋台を引っ張っていってラーメンを食べさせてあげる正義の味方なんです。邪魔する奴がいるんだけど、そのキャラクターを今考えている所なんです。(ラーメン天狗の)頭がイカみたいになっているから、ラーメン天狗の偽者のイカニモとか。
- 小林
- それ受けますね(笑)。
- 木久翁
- 店出してると、ラーメン天狗のふりをしてバーッと出てくるんだよね。でも手が8本だからばれちゃうんだよ。見破られそうになると墨を吹くの。危ないってなると、覆面した白馬が出てくるんですよ。それメンマって名前なんですけど。
- 小林
- メンマのマは馬って意味ですか(笑)?
- 木久翁
- そうそう。メンマが背中に黒胡椒をしょってきて、バーってばら撒いて悪者たちがクシャミして。
- 小林
- アハハハハ。こういうストーリーはいつ考えていらっしゃるんですか?
- 木久翁
- 暇な時にはずーっと考えてますよ。
- 小林
- 女の子のキャラクターもいるんですか?
- 木久翁
- ええかわいい子が出てくるんです。タマコちゃん。煮卵なんです。首のところに殻がついてるの(笑)。餃子マンは頭が小銭入れみたいになっていて、横にしか歩けないんだよね。僕これをはやらせようと思ってるんですよ。そうして版権を子どもにゆずれば(笑)。
- 小林
- ウフフフ、どんどんクリエイティブな方へ移行されてきてるんですね。
- 木久翁
- 文章的な方へ僕の仕事を移行してるんです。いま「COMIC GUNBO」で、僕の自伝を連載してるんですけど、これが今度コミック本で2冊出るんですよ。それとチャンバラのも1冊出るんです。前から好きでやってはいたんですけど、今度は木久蔵が息子になるんで、前より時間も出来るしね。今まで落語が忙しくてあんまり好きなことをやってこなかったんですよ。

