Show Creator 小林 香の聞かせてください! 雑誌の履歴書

第1回 ゲスト 社民党党首・参議院議員 福島みずほ

小林
普段から、饒舌に語っておられますよね。言葉の力って信じておられますか?
福島
信じてる。弁護士時代は色紙を頼まれると「あなた自身が輝いて」、「明日は明日の風が吹く」とか書いてたんだけど、今は「愛と平和」と書いてますね。やっぱり不足しているのは愛と平和ですよ。「シッコ」の映画もそうだけれど政治って、多くの人が幸せになるための仕組みじゃないですか。それがうまく作れないことには怒りを持つし、人によって世界観は違うかもしれないけれど、それは「どうしよう」って思うからね。でも私は直接聞いたことはないんだけどね、キング牧師が「I have a dream」って有名な公民権運動でやる演説があるじゃないですか。あれを直接聞いた日本の牧師さんたちから聞いたんですよ。もの凄い人の数でしょ。キング牧師が「I have a dream」って言うとザワザワザワってするんだよね。みんながその言葉に感銘を受けて、やっぱり言葉が時代を動かすんだよね。人種差別撤廃国際会議が南アフリカのダーバンで開かれる時に、当時の人権高等弁務官の弁護士出身の女性がスピーチをするんですよ。その時は低い声だったんですけれども、人種差別を撤廃しようというプレゼンテーションをNGOの会議でやると感激しますよね。色んな演説を聞くときに、言葉の力っていうのを思いますよね。だけど、伝わっているところもあるけど、まだそれを自分が有効に行使できていないと思うことはありますね。
小林
あえて言おうと思っている言葉をお持ちですか?
福島
それはシチュエーションによって変わるし、毎回同じ言葉で終わることは出来ないけれど。政治に関わっているわけだし、政治は色んな人を幸せにする仕組みを作ることであって、国会だけが政治だと思っていないんですよ。「明日の天気は変えられないけど、明日の政治は変えられる」というのはイタリアの諺だけど、そういうことは伝えたいし、一番言いたいと思っていますよね。
小林
最後に、福島さんのドリームはなんですか?
福島
戦争がない、共に生きられる社会をどう作るかです。それはもうはっきりしていて国会議員になった時は、有事立法などが出てくるかもしれないという状況だったんですね。1998年土井さんに口説かれて、有事立法が出てくるかもしれない国会で頑張って欲しいといわれたんですよ。だから私は使命を持っていると思っていて、戦争することをしない憲法9条を変えないことに頑張ると、それから社民党は社会民主主義な訳だから、つまり誰かを排除したり、誰かを切り落としたり一部の人間で独占してへっちゃらというのではなくて、よく「inclusive society」とよくいうじゃないですか。だから排除しないで、どうやって共に生きられる社会を作ってゆくのか、そのことをやろうって思っています。私は元々男女平等にこだわってきた人間だし、ゲイ、レズビアンの人たち障害者、リハビリの必要な人やいろんな人の多元的な価値が大切にされて、難民も先住者もそして、色んな人が蹴落とされたり、傷ついたりしない、希望を持てないのではない社会を作りたいというのがドリームですね。それははっきりしているんだけど、中々そううまくいかないのと、社民党が躍進しないことにはね。
小林
今日はお忙しいところありがとうございました。まだまだ尽きぬ面白いお話を、またぜひお聞かせください。

平成19年9月某日 於 参議院会館 506号室

福島みずほさんに

“バリバリのキャリアウーマン”という表現がありますけど福島さんからは“バリバリ”じゃなくて、この地上をボーダレスに自由に吹き渡る爽やかな風の音が聴こえました。もしも福島さんに歌を贈るなら、無伴奏でしかもハミングで作りたいですね。福島さんの「愛と平和」を言語も楽器も使わずに、数億の人の声で合唱する日のために! それと、お話ししていたカリスマ美容師さんの件、覚えていますよ。それはまた、別のお手紙にて・・・・・・。

小林香
Show Creator。
1977年生まれ。京都市出身。18歳で京都フィロムジカ管弦楽団を設立。その功績が認められ、ニューヨーク・フィルにインターン留学。同志社大学卒業後、ミュージカルの演出・振付家に師事。26歳で東宝株式会社と最年少プロデューサー契約を交わし、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「マリー・アントワネット」「ベガーズ・オペラ」などの大作に携わる。07年11月には、東宝新劇場・シアタークリエのこけら落とし公演(作・演出/三谷幸喜)をプロデュース。作詞とショウ演出においても現在もっとも注目されているクリエイターである。

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