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【第1回】「寺門興隆」編集長 矢澤澄道さん

○住職の悩み

花田
雑誌のテーマである「お寺の住職さんの悩み」。今一番の悩みというのはどんなものなんですか?
矢澤
やはり後継者が一つでしょうね。
花田
ああ、後継者。伝統芸能や伝統工芸の世界と一緒ですね。
矢澤
「住職は一代、寺は末代」という言い方があるんですよ。住職は一代で終わりますけれども、寺は末代までずっと続いていく。この維持させていくというのがとてもコストがかかるんですね。
花田
なるほど。
矢澤
ある地図メーカーの方が言っていましたが、カーナビというものがありますよね。あれは半年ごとに地図を更新していくそうなんですが、10年前の地図を見て、今の地図を作ろうとすると、色々なお店や銀行や役所などはほとんど全部が移動してしまっているのに、唯一動かないのがお寺と神社と墓地なんだそうです。
花田
たしかにそうですね。子供時代に遊んだ八幡神社が今もある。
矢澤
そして、これがとても重要なことだと思うのですけれども、それはただ単に自然現象としてあるわけではなく、そこにあることが必要だからなんですよね。それを支えていくということはとても重要なことで、今、伝統評価とか高まっていますけれども、寺院がずっと今まで動かずその場所に留まっているということは、大変な労力がそこにあったと思うんですね。その労力の一番は、箱物を維持していくということではなくて、その中身を維持してきた人たちのおかげですよね。
花田
矢澤さんご自身には後継者はいらっしゃるんですか?
矢澤
ええ、います。おかげさまで。私と同じように明治大学に通っているんです。途中で高野山で修行して、僧侶の資格を取っていますから、私はいつくたばってもいいという感じですかね(笑)。
花田
いえいえ、そんな(笑)。
矢澤
それは本当に嬉しいことなんですけれども、後継者を育てるというのはとても重要ですね。やはり自分の背中を見せていかなければいけないですから、なかなか難しいことですね。
花田
そうですね。子は親の背中を見て育つと言いますもんね。
 

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