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fumimaru51のシヌマデシネマ

【第1回】
 還ってきた三十郎

『椿三十郎』
12.1 roadshow

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三十郎が、還ってきた。
 
 1962年。ということは昭和37年。『ALWAYS三丁目の夕日』の頃の少し後。当時7歳の僕は時代劇好きの父親に連れられ、映画館に黒澤明監督三船敏郎主演の『椿三十郎』を観に行った。映画の大筋の記憶はないが、連れられていったということと、当時その演出で話題となった仲代達也扮する室戸と三十郎のクライマックスの一騎打ちのシーンだけは覚えていた。

 それから44年後、不朽の名作と言われた『椿三十郎』が、角川春樹が製作総指揮を務め、森田芳光監督がメガホンを執り、織田裕二が三十郎を演じリメイクされることになった。

 2006年10月。横浜市青葉区の緑山スタジオのオープンセット。その撮影現場だ。茶室の三悪人の企みにより、大手門前に掲出された高札。それを見上げる藩士たちのシーン。藩士の顔・顔・顔・・・その中の一人に僕がいた。

 前年、森田監督の『間宮兄弟』のタイアップに僕の会社(コンビニ)を訪れた製作プロデューサーと意気投合、森田監督をご紹介いただき、間宮への出演のチャンスもいただいた。以来森田作品には少しだけだが必ず出させていただいている。黒澤版三十郎を観に行った少年が森田版三十郎の現場に立っている。感慨深いなあ・・・だけど秋の日特有の透明な強い日差しが、初めてのかつらに羽織袴の小柄な侍に容赦なくふりそそぐ。ヅラが熱いぜ。アチー、アチチチ。

 2007年9月。ほぼ1年後、そうして完成した『椿三十郎』をマスコミ試写に先駆け、観させていただいた。普遍の輝きを持つ脚本が、森田監督の現代的な演出と、大島ミチルの勇壮な音楽にのった織田裕二をはじめとする俳優たちの名演技によって見事によみがえった。いや単なるリメイクではなく全く新しい映画として。ほんとうにかけねなしでおもしろいです!

 まだ『椿三十郎』を観たことがない人は、ぜひ先ずはこの森田版三十郎を観てほしい。それもまったく予備知識なしで。公開前にさまざまな情報が事前に告知される現代のマーケティング手法には耳貸さず。それこそが映画を観る本来の醍醐味であり、『椿三十郎』を楽しむ最良の手段なのだから。

 久々の堂々たるお正月映画。映画的な映画『椿三十郎』。森田監督の最高傑作であり、本年度最高の一本にちがいない。
 12月1日の公開が待たれる。

 三十郎ならこういうだろう、「映画てえのは映画館で観るもんだぜ!」

 

今回の映画:『椿三十郎』

【STORY】

ある藩で、九人の若侍たちは、上級役人の汚職・不正を暴くために立ち上がったが、逆に悪人の手によって、絶体絶命の危機にさらされた。その時、一人の浪人が現れ、九人の生命を救った。彼の名は、椿三十郎。正義を貫こうとする若侍たちの純粋さに、心打たれた三十郎は、若侍たちと共に巨悪に挑むことにするが、彼らの前には幾多の困難が待ち受けていた。
www.tsubaki-sanjyuro.jp

 

山?文雄
本名 山崎文雄。52才。会社員。2001年スタジオジブリ鈴木敏夫氏に出会い、『千と千尋の神隠し』でコンビニでの映画タイアップを実現。その後2006年森田芳光監督作品『間宮兄弟』に出演し、2007年には同監督の『サウスバウンド』『椿三十郎』及び犬童一心監督の『グーグーだって猫である』(2008年公開予定)にエキストラ出演。またリュック・ベッソン監督作品『アーサーとミニモイの不思議な国』では声優にも挑戦。
http://ameblo.jp/fumimaru51/

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