チクチャ・チョングのMY LITTLE NEWS SHOW

チクチャ・チョング
Jikja Chung


東京生まれ。在日コリアン3世。東京調布市のアメリカンスクールを卒業し、ハーバード大学に進学。ハーバード大学卒業後、民放テレビ局のニューヨーク支局及び東京で衛星放送会社勤務を経て、コロンビア大学ロースクールを卒業。その後、ニューヨークにて大手法律事務所の金融部に勤務。’06年、夫の仕事の関係でカリフォルニア州、オレンジ・カウンティー、ニューポート・ビーチに移住。現在、世界に16のオフィスを持つ弁護士事務所のコーポーレート部に所属し、主にM&Aや不動産系ジョイントベンチャー等のプロジェクトに携わる。その他、地域の非利益団体に団体設立やガバナンス等の法律的アドバイスを無償で提供する活動も行っている。ニューヨーク州及びカリフォルニア州弁護士の資格を持つ。

第十二回
「あいのり」でガソリン価格高騰に勝つ!

 アメリカでは日本と同様、毎日のようにガソリン価格高騰に関するニュースが流れています。アメリカではほとんどの職場で交通費が支給されないので、景気が不安定になるにつれどうにか支出を抑えようと、誰もが安あがりな通勤方法を模索し始めています。日本の場合、電車やバスなどの公共の交通機関を利用することをまず思い浮かべますが、アメリカはそれらが日本ほど整備されておらず、しかも通勤距離が長い場合が多いので(通勤距離が毎日片道70キロなどざらです)、残念ながら通勤手段の選択肢は車以外ないという人がほとんどです。

 アメリカではガソリン価格高騰の影響で、エコノミカルなカープーリング<CAR POOLING>の人気が増しているそうです。車をプーリング(共同で使う)すれば、高速道路の最も左側にある「多人数乗員車両用車線」 <HIGH OCCUP-
ANCY VEHICLE (HOV) LANE>と呼ばれる 、いわゆる「あいのり車線」を走ることができます。これはラッシュアワー時に渋滞を緩和するため、最低2人または3人乗っている車専用に設けられた車線で、ラッシュアワー時には大抵一番流れがスムーズです。

HOV LANEの標識。ひし形のマークが目印です。

 カープーリングをすると、乗らせてもらう方は自分の車の寿命が長くなり、ガソリン代も節約出来る上に、ドライバー側にとっては通勤時間が短縮され、両者とも得をするということで人気です。あいのりの相手は近所に住む会社の同僚の場合が多いですが、電車の駅や公共駐車場などでは、よく即席のカープーリング乗り場があり、高速にのる前にドライバーがそこに乗り付け、同じ方面に行きたい乗客をピックアップ出来る仕組みになっています。さらに最近人気なのが、ドライバーと乗客を事前にマッチするインターネットのサイトです。この様なサイトでは初対面の人の車に乗るのは抵抗がある人のために、事前に相手の身元を照会出来るサービスも提供しています。

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HOV LANEはこのように高速道路の最左側にあります。

 もちろん知らないもの同士が「あいのり」するカープーリングには、暗黙のルールがあります。いくつか挙げると、乗せてもらう方は「THANK YOU」以外、ドライバーから話しかけられるまで、こちらからは話しかけないこと。政治・宗教の話題など絶対にしないこと、ラジオ局はドライバーにのみ選択権があること、車内の温度調節もドライバーのみがコントロール出来ること、ドライバーに絶対お金を払わないこと、カープーリング乗り場では女性をひとりにしないこと、などなど。そういうわけでアメリカ版あいのりは日本の人気テレビ番組の「あいのり」とは大違いですよね。

 ちなみに私自身の事務所は幸いなことに車で家から約10分ほどなので、自転車での通勤圏。ですが、家の周りは車が当たり前のように時速70−80kmで飛ばしているので、いくら経済的といっても、毎朝命を張ってまで自転車通勤は出来ません。そして、仕事の終了時間はいつも不規則。なので、「あいのり」のお世話にはここしばらくならなさそうです。