チクチャ・チョングのMY LITTLE NEWS SHOW

チクチャ・チョング
Jikja Chung


東京生まれ。在日コリアン3世。東京調布市のアメリカンスクールを卒業し、ハーバード大学に進学。ハーバード大学卒業後、民放テレビ局のニューヨーク支局及び東京で衛星放送会社勤務を経て、コロンビア大学ロースクールを卒業。その後、ニューヨークにて大手法律事務所の金融部に勤務。’06年、夫の仕事の関係でカリフォルニア州、オレンジ・カウンティー、ニューポート・ビーチに移住。現在、世界に16のオフィスを持つ弁護士事務所のコーポーレート部に所属し、主にM&Aや不動産系ジョイントベンチャー等のプロジェクトに携わる。その他、地域の非利益団体に団体設立やガバナンス等の法律的アドバイスを無償で提供する活動も行っている。ニューヨーク州及びカリフォルニア州弁護士の資格を持つ。

第十回 「アメリカ版ゴジラ」は花嫁?

 ジューンブライドと呼ばれる6月は、もちろんアメリカでも結婚式シーズンです。景気の先行きを心配して結婚式の費用を抑え始めていることや、6月16日からカリフォルニア州では同性の結婚が認可されたため、結婚関連のビジネスの需要が増え、州の経済に活気をもたらすだろうなど、「結婚」に関して色々なニュースが飛び交っています。アメリカの結婚式関連市場は2006年時点でなんと860億ドル規模のビッグ・ビジネスなのです。

 私は日本とアメリカ両方の結婚式に出席した経験がありますが、結婚式に対する花嫁の執着・執念はアメリカが日本を上回っていると思います。アメリカでは結婚式の当日だけではなく、色々な儀式やイベントが婚約から結婚式の間中行われます。婚約直後の婚約披露パーティに始まり、花嫁の女友だちが主催する花嫁のためのお茶会「ブライダル・シャワー」、花嫁が独身最後に女友だちとハメをはずすことが許される「バチェラレット・パーティ」<直訳:独身女パーティ>(ちなみに花婿のための「バチェラー・パーティ」もあります)、結婚式前日両家の家族と親友だけの食事会の「リハーサル・ディナー」まで、花嫁のスケジュールはこれらの予定で一杯です。日本だとたいてい式場と業者がタイアップしているので、ほとんど全ての結婚式の手配が一括してできますが、アメリカでは花屋、ウェディング・ケーキ屋、写真屋、司会者、などを個々に手配しないといけない場合が多いので、準備が大変です。

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ブライド・ジラ???

 この様に長期にわたって数々のイベントの「主役」になるのに慣れてしまったためなのか、はたまた「一生に一度の大イベント」(離婚率を考慮すると実際と異なりますが)のプレッシャーからなのか、アメリカでは結婚式を計画するにあたって、なぜか花嫁たちの人格が豹変してしまうことが日常茶飯事です。いつもおとなしく落ち着いている女の子がジキルとハイドの如く、結婚式の準備過程の中で、家族、友だち、そしてあらゆる結婚式関連の業者に対して非現実的な要求をしたり、ささいな事でキレまくる恐ろしい人間になってしまうのです。アメリカではこのように結婚式の準備過程で手に負えないワガママ娘に変身してしまった花嫁<ブライド(BRIDE)>を皆さんご存知の怪獣ゴジラ<GODZILLA>にたとえて「ブライド・ジラ」<BRIDEZILLA>と呼びます。ブライド・ジラたちはウエディングドレスを選ぶため女友だちを無理やり十数件以上の店に付き合わせたり、披露宴のナプキンリングの色が想像したのと違う色だと業者を怒鳴り散らしたり、火を噴いて暴れまわるゴジラさながらに周りを振り回しまくります。

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実在するワガママ花嫁の結婚準備の様子を追ったアメリカで人気のドキュメンタリー番組のタイトルはもちろん「ブライド・ジラ」です

 私が見たブライド・ジラは男友だちの奥さんでした。ブライド・ジラ化してしまった彼女は、ウエディングケーキ の代わりに出席者ひとりひとりにカップケーキを出したい!! と、親友でもない花婿側の友だちのガールフレンドにNYで有名なカップケーキ専門店にカップケーキ200個を注文させました。さらに輸送中にカップケーキが潰れるのを恐れ、カップケーキの輸送のため8人乗りのレンタカーのバンまで手配させる始末。 結婚式後、その友だちとガールフレンドがその奥さんを極力避けていることは言うまでもありません。

 私の結婚式を振り返ると、自分では「ブライド・ジラ」に変身していなかったと思うのですが(結婚式後も友だちと連絡を取り合っているので)、それは友だちの意見にまかせます。もしそうだったらゴメンナサイ!!